facebook グローバーライズ株式会社 – 東京都が選定した名産品や特産品を紹介【BuyTOKYO】

グローバライズ株式会社

代表取締役 日比章善氏

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高度な技術や製品を有する日本の製造業の販売支援企業として起業

 グローバライズ株式会社日比章善社長は、2021年2月に日本の眠れる「もの」「技術」「サービス」を世界に送り出す製造業の技術情報検索サイト「Manu Tech」(オンラインプラットフォームサイト)をリリース。長年にわたり培われてきた高度技術で高品質な製品を作る日本の製造事業者と、日本の技術や品質を求める海外ブランドをオンラインでマッチングさせてみたいというコンセプトでスタートしました。

 「日本アイ・ビー・エム株式会社でシステムエンジニアとしてシステム開発に関わっていました。その後退社しアメリカ留学後、楽天株式会社(当時)に入社しました。楽天では、楽天市場の越境ECの立ち上げを担当したり、アメリカに出向し現地法人の副社長として楽天の海外進出を担当したりしていました。」

 日比さんは越境ECや海外プロモーションの支援を行う中で、海外で日本のモノを売る難しさを感じていたとのこと。日本市場が縮小し、越境ECをはじめ海外販路開拓しなければいけない状況にあるのに、その一歩を踏み出せないでいる日本企業をたくさん見てきたと語ります。

 「完成された製品のBtoC(海外消費者へのECによる直接販売)は既に展開していましたが、日本の高品質を作る高度技術やノウハウはBtoB(海外の自社ブランド開発事業者への展開)での海外進出促進に拍車がかかるのではないかと思い、OEM工場検索サイト「Manu Tech」を立ち上げました。日本の製造事業者と海外ブランドの間に立ち、見積りから交渉、契約、決済までを、安全かつ速やかに多言語対応で支援できるオンラインサービスです。」

 日本の製造業を支援するために生まれた『Manu Tech』は、コロナ禍の影響を受けながらも地道なPRを続け、日本の製造業と海外ブランドのマッチング事業を拡大しています。

 「まさにコロナ禍での『Manu Tech』のリリースだったので、出展予定の展示会がコロナの影響でほぼ延期・中止になってしまいました。またせっかくリリースしましたが、そもそも海外ブランド向け(BtoB)の技術情報検索サイトというサービスが、日本の製造事業者には馴染みが無いものだったので、まずは広告費をかけて認知度向上を計りました。

 ようやく日本側の製造事業者登録も増え、海外バイヤーからの問い合わせも入ってくるようになってきました。掲載料金は不要にし、成功報酬のみで『Manu Tech』の利用促進を図りましたが、言葉や習慣の違いなどの障壁が多くありました。成約までは時間がかかるので、ビジネスとしてボリュームを増やすにはもっと力を注ぐ必要があると考えています。」

 そのような中でも、成功事例はあると日比社長は語ります。

 「成功事例としては、具体的には化粧品・健康食品関連が多く、既に完成品や技術を持っている製造事業者の方がスピードも速く、成約率が高いです。最近だと、ベビー用品に関して台湾企業からの問い合わせがあり商談が進行しています。完成品に近い製品を製造できる事業者が、その完成品を相手先ブランドとして製造(OEM)できれば、両者にとって大きなメリットがあります。」

工場と消費者をダイレクトにつなげるFtoC支援サービスでより世界でのチャンスを!

 『Manu Tech』に加え、新たな試みとして今後はFtoC支援を強化する予定の同社。アメリカではすでに取り組んでいる企業もいますが、日本ではまだまだ聞き馴染みのないサービスです。本サービスは日本側のメーカーにとってもメリットの大きい仕組みであるといいます。

 「FtoCとは聞きなれない言葉かもしれませんが、“Factory to Consumer”の略で、工場が既に持っている自社ブランドの育成および販売支援をするサービスです。メーカー(F:factory)が直接消費者(C:Consumer)に販売するFtoCという取り組みは利益率が高いので、アメリカでは以前から存在していました。

 FtoCは、ブランドを立ち上げたい・自分たちで作って販売したいと思う日本の製造事業者がターゲットです。前述のように完成品に近い製品をお持ちのメーカー(F)であれば、我々がブランドプロデュースとパッケージ支援(マーケティング支援)を行います。それによって付加価値をあげ、Eコマースを使って直接消費者(C)に販売するFtoCサービスの方が、日本側のメーカーにとって速やかに成果が出やすいという考え方です。」

 ブランド育成支援だけでなく、自社ECプラットフォームも立ち上げ販売支援をしている同社は、さらに国内外のECプラットフォーマーでも販売していくことで国内外の消費者に幅広くリーチできるようになると、今後の事業展開を語ります。

 「高い技術力や品質を持つ製造事業者が、国内外の消費者に直接自社ブランド商品を販売できるルートができれば、日本のメーカーにとって大きなメリットとなるはずです。」

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 「これまで、Manu Tech(図の左から右下の流れ)だけだと海外との取引と言うことで障壁も高かった上に、海外ブランド側に消費者への販売を委ねる形(BtoC)だったので、成約まで時間もかかっていました。

 そこでFtoC(図の左から右の流れ)で日本のメーカーの認知度が上がれば、海外ブランドも取り扱い(図の下から右上の流れ)が増えるだろうというのが、「Eco System」の考え方です。このEco Systemの循環を回して日本の製品をより売っていくための支援をし、最終的には海外の消費者(C)に売っていくことを目指しています。」

 最後に、日比社長が考える日本の製造業支援についての今後の展望と意欲を語っていただきました。

 「日本の製造事業者が自社ブランドを立ち上げ、自社製品をオンラインで国内外の消費者に直接販売するのはなかなか踏み出しにくい部分ではあると思いますが、世界を見据えてITを利用していくことは世界の流れです。その部分では日本の製造事業者の方たちのご支援ができると思っています。是非このサービスを使っていただき、一緒に日本の製造業を盛り上げていきたいと考えています。」