Buy TOKYOの支援で実現した、
精密板金を得意とする町工場から、
世界に向けたアートブランドの誕生。

株式会社ミューテック35
代表取締役 谷口栄美子氏
ミューテック35は、創業者が築いた高い金属加工技術を継承しながら、二代目の谷口栄美子氏が掲げた「技術の名刺」──1枚板から削り出されたセミのオブジェを切り札に、リーマンショック後も200社以上の新規取引を切り拓いてきました。しかし、受注生産だけに依存するビジネスモデルには限界とリスクがあると感じ、同社は自社ブランドの立ち上げを決意。栄美子氏は東京都の「事業化チャレンジ道場」で事業構築を学び、自身の好きなインテリア領域でステンレスの特性を活かした作品を開発しました。さらに「誰も作っていないものを作りたい」という思いから、色付けや鏡面加工、焼き付けなど高度な表面処理を複合したウェアラブルアートや大型ウォールスカルプチャーへと表現を広げていきます。
「MIDORI」が海外でどこまで通用するか。
Buy TOKYOを選んだ明確な理由とは?
「ステンレスは“永遠性”をもつサステナブルな素材。ならば永遠の象徴である鳳凰をつくりたい」と栄美子氏とデザイナーである次女の翠氏は、新たなアート作品『鳳凰』の制作に着手しました。しかし海外で評価されるかどうかは未知数。そこで同社は、海外市場調査・ブランドサイト制作・アート市場向けの営業ツール整備など、費用負担の大きい“最初の一歩”を補助してくれるBuy TOKYOに応募しました。「海外調査やウェブ構築は、中小企業にとって費用が負担になるので、Buy TOKYOさんに“おすがり”しました」と栄美子氏。
1年目はウェブ制作と市場調査、2年目はニューヨークの展示会への出展支援を受け、「特に海外の展示会で、輸送費まで支援してくれるのはBuy TOKYOだけ。毎年お願いしたいくらい」と語ります。これにより“海外でどこまで評価されるか”という同社の本懐へ、大きく踏み出すことができました。
Buy TOKYOのサポートで叶った
Artexpo New Yorkでのアメージングな展示。
2024年、同社は世界最大級のアートフェア 「Artexpo New York」に出展。広い会場にあえて作品を一つだけ置き、美術館のような見せ方で勝負するという戦略を選択しました。結果は想像を超え、来場者は作品を目にした瞬間に足を止め、誰もが「Amazing!」と声を上げたそうです。羽一枚一枚を焼き色で仕上げた圧倒的な技術力、ステンレスでありながら温度を感じさせる表現が高く評価された瞬間でした。
Artexpoの審査側からは“来年もウォールスカルプチャーを出展してほしい”と声がかかり、同社は次回開催に向けて鳳凰の対となる作品「凰(おおとり)」の制作を始動。鳳と凰、東洋の「鳳凰」をセットで世界へ提示するプロジェクトが動き出しています。
事前調査と運賃補助という実務に効く支援が、
中小企業の海外挑戦を確かなものに。
栄美子氏が強調するのは、Buy TOKYOの“実務に効く支援力”です。海外展示会の運賃補助、専門家によるハンズオン支援、営業の進め方や必要ツールの助言といった中小企業が海外に挑む際に最も重い負担を、確実に軽くしてくれます。「人は皆インスタで同じものを見て、反応しているけど、今や世界は本当に狭い。だからこそ、海外で挑戦したいと思ったら、その時がチャンスなんですね。Buy TOKYOさんなら負担は3分の1(初年度:事務局注)。やるしかないでしょう」と笑顔で語ります。
ミューテック35の飛躍は、技術力と社員全員の情熱に、Buy TOKYOの後押しが合わさることで生まれました。鳳凰に続く新作「凰」を携え、同社は今、世界市場へとさらに大きく羽ばたこうとしています。




