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青梅の藍を世界へ。
Buy TOKYO推進活動支援事業で実現した、
ポップアップのVMD改善と海外発信。

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村田染工株式会社

代表取締役社長 村田敏行氏

東京都青梅市にある村田染工株式会社は、自然由来の染料を使った藍染めや草木染めを手がける染色工房。自社ブランド「壺草苑(こそうえん)」は国内外に多くのファンを持ち、2024年には若い世代にも藍染めの魅力を届ける新ブランド「OME(オウメ)」を立ち上げました。地域に根ざしたものづくりを続けながら、次の世代へ価値をつなぐ挑戦を続けています。

海外からの旅行者が多い成田空港での展示は、
藍染めを世界に発信する大きなチャンスに。

同社が「Buy TOKYO」を活用したのは2024年から。ブランドの発信力強化や海外への事業展開を見据えてエントリーした直後、成田空港第2ターミナルでの約9カ月間のポップアップ出店のチャンスが訪れました。そこで事業実施内容を成田空港出店に向けたマーケティング支援へとシフトしました。訪日旅行者が多く行き交う空港は、藍染めを世界に届ける絶好の場。限られた空間で、ブランドの世界観をどう伝えるか、空港という特殊な環境の中で商品の見せ方を磨いていきました。

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VMDの専門家によるアドバイスが導いた、
売り場での藍の圧倒的な存在感。

続いて「Buy TOKYO」に依頼したのは、百貨店の催事でブランドの世界観をどう見せるか。VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の専門家によるハンズオン支援を活用し、ディスプレイでの色の使い方やお客様の導線設計など、展示空間全体の構成を一から見直しました。「藍色をより引き立てるために、“抜け”を意識した空間が大事だと学びました。あえて余白をつくることで、お客様の視線が自然と藍の濃淡に導かれるようになりましたね」と四代目の村田敏行社長。

通路から見た時の視認性や立ち止まりやすい導線を工夫したことで、お客様がゆっくり製品を手に取る機会が増加。展示の改善をきっかけに、Instagramでも反応が大きく変わったそうです。「アドバイスをもとに撮影した写真は、どれも反応がよくて。展示の工夫が、発信の在り方にもつながったと実感しました」と笑顔で語ってくれました。

支援のバトンは、新ブランド「OME」へ。
藍と草木染めで、次の世代へ価値をつなぐ。

2024年には、青梅の地名を冠した新ブランド「OME(オウメ)」をリリース。「壺草苑」で培った藍染めに、草木染めを組み合わせることで、豊かなカラーバリエーションの商品を展開しています。より日常に寄り添うデザインを意識し、若い世代にも手に取りやすい素材やシルエットを提案しています。現在は国内での展開に加えて、海外市場への発信も視野に入れ、できるだけ多くの人に、藍染めに触れてもらえるような情報発信の拡大を「Buy TOKYO」に相談しているとのこと。

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Buy TOKYOの支援を通して見えてきた、
藍染め文化の継承と次の可能性。

一方で、天然藍の原料である「すくも」の調達は年々難しくなっています。「だからこそ、天然素材の価値や、環境にやさしい染めの魅力を多くの人に伝えていきたい。SDGsの観点でも、藍染めが果たせる役割は大きいと思っています。これからも常に注目されるような商品を発表しながら、藍染め文化を次の世代へつないでいきたいですね」と村田社長。Buy TOKYOの支援で得た経験を糧に、伝統を守りながらも時代の空気を取り込み、青梅の藍を世界へ。青梅の藍は、今日も静かに、そして力強く未来を染め続けています。