日本名産品のルームシューズ“merippa”、
Buy TOKYO推進活動支援事業を活用して、パリの展示会へ。
世界中との取引が順調に進むなか、アメリカ進出にも挑む!
中橋莫大小株式会社
代表取締役 中橋智範氏
中橋莫大小(なかはしめりやす)は、1951年に江戸時代からメリヤス産業が盛んな墨田区で創業しました。国内メーカーに向けてニット生地やカットソー製品全般を手掛けてきた経験を生かし、4代目の中橋智範さんが創設したのがMADE IN JAPANを誇る、ルームシューズの自社ブランド“merippa”です。2013年のデビュー以来、2015年にアメリカのセレクトショップと取引をスタートし、2018年に会社の近くに旗艦店merippa houseをオープンし……と、国内外で着々と人気を広げてきました。
そんな“merippa”の次なる目標は、ヨーロッパのファンを増やすことです。「まずは、パリに現地法人とショップを設立すべく動いてきました」と中橋さん。同時期に、東京都中小企業振興公社から教えてもらったのがBuy TOKYO推進活動支援事業だったそうです。
「パリの合同展示会であるメゾン・エ・オブジェはヨーロッパ全域の方々に見てもらうことができる貴重な展示会でしたので、ずっと出展を希望していました。ただ、海外の展示会に1回出ると経費を含めて500〜600万円はかかるため、申請の一番の目的はメゾン・エ・オブジェに出展するための経費補助を受けることでした」
パリの展示会に経費補助を活用。
パリの老舗百貨店 ボン・マルシェとの契約が決定!!
中橋さん曰く「全額自社で負担するとしても出展する覚悟だった」ものの、2022年にBuy TOKYO推進活動支援事業に採択された際は『よし、どんどんやってこう!』という気持ちになったとか。その言葉の通り、2022年9月、2023年1月、9月と、計3回のメゾン・エ・オブジェに“merippa”を出展することとなりました。
「1回目の出展では、21カ国140社と名刺を交換し、売上は500万円ほどでした」
Buy TOKYO推進活動支援事業のハンズオン支援ではさまざまな専門家がアドバイザーとして活躍しています。海外進出をサポートしているアドバイザーによると、「初出展でこの額は驚異的だ」とのことです。2回目の出展前には、ヨーロッパ市場に詳しいアドバイザーにハンズオン支援を依頼し、ブースに設置する資料の作成にあたり、アドバイスをいただきました。
「2回目以降は、さらに大きな成果を上げました。パリの老舗百貨店であるボン・マルシェから受注をいただき、さらに2ヶ月間のポップアップショップ開催も決定しました。またアジアやアフリカからも大きな反響があり、台湾からは500足を受注しています。ヨーロッパへの進出をメインに据えていたのに、うれしいプラスアルファでしたね」
SEO対策、Instagramの有効活用法など、
ハンズオン支援のアドバイスで知識が広がった!
MADE IN JAPANのルームシューズブランド“merippa”は、2023年でデビュー10周年になります。これを機に、10年前に作成したECサイトをリニューアルします。経費補助は、この国内向けECサイトにも利用しました。中橋さんとともに“merippa”を担当する小澤美穂さんによれば、「色や素材でも検索をかけられるようにしたことで、以前の品番も売れるようになりました」
ECサイト完成後は、多様な専門家から助言がもらえるハンズオン支援の利点を生かし、WEBマーケティングの専門家、広報の専門家、SNS向け動画撮影の専門家などから幅広くアドバイスをもらうことになりました。
「自分たちでECサイトの企画や広報活動を行っているものの、SEO対策については充分な知識がありませんでした。そのため、ハンズオン支援では多くを学ぶことができました。またInstagramは専門的知識がなく、親身になって助言を頂けたため、心強かったです。Instagramは海外のお客様と繋がるうえでも重要なメディアで、海外のアカウントからの「いいね」や、お取引に関するDMも多く届きます。来年の支援終了後も、教えてもらったことを継続していきたいです」
Buy TOKYO推進活動支援事業の2年間で、海外進出の基盤を整備。
ヨーロッパの次はアメリカへ!!
メゾン・エ・オブジェ出展前は「まずは出てみないことには……」と手探り状態だった中橋さんですが、3回目の展示会を終え、支援事業採択前から着手していたパリのショップも完成したことで「ヨーロッパ進出の基盤はできた」と手応えを感じている模様です。
「アメリカ進出が次なる目標になります。実は2023年末で、現地のセレクトショップと結んでいた“merippa”の独占販売契約が終了するのです。そのため2024年2月にニューヨークの展示会へ参加し、改めて自社でアメリカ市場を開拓することを予定しています」
展示会出展を決めるにあたっては、ハンズオン支援でアメリカ市場に詳しい専門家にアドバイスを依頼しました。市場の動向や展示会ごとの特徴などを教えてもらった結果、SHOPPE OBJECTという展示会に照準が定まったのだそうです。
「Buy TOKYO推進活動支援事業の支援期間は2024年3月末までなので、予算枠が余っていたら経費補助も使いたいですね。セレクトショップとの初年度独占販売契約は500足、その2年後には2万足と売上を伸ばしてきましたので再進出は強気でいきます」
ルームシューズ“merippa”が海外で熱い支持を集める理由は高いデザイン性、リバーシブルで使用できること、複数のパーツをミシン縫製・手縫いにわけて組み合わせた履き心地、海外ではまだ珍しい室内用のシューズであることなどが挙げられます。そしてなにより「海外では、MADE IN JAPANってすごく好意的に受け入れられています」
「パリに行って再認識したのですが、やっぱり日本のものづくりって非常に細やかです。MADE IN JAPANは、先人たちが築いてくれた大きなブランドだと実感しています」
「世界進出にはまだまだ課題がたくさんある」と語る中橋さんですが、“merippa”を押し出すうえでは、「弊社のモットーである『Made in pride of JAPAN』を大きくアピールしていきたい」と考えています。そしていずれは東京に自社工場をつくり、“MADE IN TOKYO”を広めていきたいと意気込んでいます。“merippa”の大きな夢は、Buy TOKYO推進活動支援事業の支援期間後も、世界各地で広がっていきそうです。
URL : http://merippa.com
中橋莫大小 株式会社 / 中橋 智範
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