facebook 大場硝子加工所 - 東京都が選定した名産品や特産品を紹介【BuyTOKYO】

大場硝子加工所

代表 大場和十志氏

メイン写真

企業サイト・ECサイトを作り事業を拡大するため、
Buy TOKYO推進プロジェクトに応募

 1966年創業の大場硝子加工所がメインの事業とするのは、江戸切子の製造・販売。時折、百貨店などの催事で、直接お客様に販売することも。現在、代表の大場和十志さん、若手職人、委託販売先への出荷などを担う職員の3名が従事しています。
 普段は職人として制作に追われる大場さんが、自社のサイトを開設したのは2016年頃でした。「企業サイトは、もはや名刺のようなもの。企業の信頼を得る上で、不可欠なものだと感じた」しかし、自力で作ったサイトは理想とはかけ離れていたそうです。
「素人が即席で仕上げたものは、どうしても安っぽい。素人とプロの腕が段違いなのは、職人である私が一番よくわかっています。でも、外注すると費用がかさみますよね。そもそも相場を知らないし、高い・安いの差が何なのかもわからない。制作に費用をかけていいものか、とても不安でした」
 その打開策として応募したのが、Buy TOKYO推進プロジェクトです。支援がスタートしたのは2019年8月。

  • 代表 大場和十志氏
  • 商品の写真

経費補助に加え、制作費の有効な使い方までアドバイス。
専門知識を持つアドバイザーの存在が心強かった

 Buy TOKYO推進プロジェクトでは、企業サイトとともに念願だったECサイトも立ち上げることに。まずは経費補助を活用して制作会社へ制作を依頼したそうです。
「打ち合わせをしていると、わからないことがたくさん出てきて。発注するだけでも、あれこれ調べながらの作業となりました。
そんな中、経費補助以上に心強かったのが、ハンズオン支援で派遣されたアドバイザーの存在です。制作会社とは異なる視点で助言してくれて助かりました」
「『こうした方が費用を抑えられる』など、色んなことを教えてもらいました。何よりありがたかったのは、運用時まで見越した視点。制作中に『この作りだと、運用するのが大変ですよ!』と指摘されて、ハッとしたんです。サイトは運用してこそ意味があるもの。アドバイザーがいなかったら、お金をかけて立派なサイトを作っても、活用できずに終わってしまうところでした」
 Buy TOKYO推進プロジェクトが結んでくれたのは、制作会社やアドバイザーとの縁にとどまりません。
「江戸切子の美しさを伝えるには写真が大切です。昔、カメラの講習会に通ってみたことがあったんですが私では、まだまだプロのようには撮れません。今回は、制作会社がいいカメラマンを紹介してくれて。イメージしていた以上の写真を撮ってくれました。これも、かけがえのない出会いでしたね」

オンラインならば、いつでも日本中が商圏となる。
コロナ禍で売り上げが落ちる中、ECサイトが心の支えに

 そうして企業サイト・ECサイトが完成したのは、2020年3月。新型コロナウイルス感染症が広がりはじめた直後のことでした。
「コロナ禍で売り上げがガクンと落ち、先行きは不安だらけ。でも、ECサイトではちゃんと商品が売れていく。もちろん、売れると言っても、全体の売り上げ減をカバーできるほどではありません。それでも『新たな世界が開けた』ということが、大きな心の支えになりました」
 また、販売を通して、オンラインならではの強みも再確認しているそうです。
「以前は、各都市の百貨店の催事販売に出向いていました。一方ECサイトなら、常に日本全国が商圏となる。これってすごいことだよな……と感じています。それに、近年は百貨店の高級食器売り場が縮小されていて。欲しいけど買えないという人も多いわけです。ECサイトがあれば、そういった人にもアプローチできますよね。はじめてうちの商品を購入するお客様が、ECサイト内で一番高額な10万円の商品を買ってくださったこともあるんですよ」

  • 写真1
  • 写真2

ウェブ広告・SEO対策をコンサルタントに依頼し、売り上げ倍増。
モール型ECサイトに支店を出し、さらなる成長を目指す

 Buy TOKYO推進プロジェクト2期目となる2021年10月現在も、アドバイザーにサポートを依頼中。今期はウェブコンサルタントとして活動してもらい、SEO対策やウェブ広告の運用をお願いしているそうです。
「広告を打ちはじめたのが2020年8月。そこから約半年でECサイトの売り上げは1.5倍に。その後も順調に伸びています。自分たちだけでは、広告を出すタイミングも費用対効果もわからなかったのですが、プロに依頼することでここまで効果が出せるなんて……と、驚いています」
 自社のECサイトで手応えを得て、2021年3月には、モール型ECサイトであるBASEにも出店しました。
「自社ECサイトには『江戸切子が欲しい』という人が来る。モールは『何かプレゼントを……』『面白い商品あるかな?』と、漠然と買い物をしたい人が訪れる。より多くの人に見てもらえるようにと、両方で販売することにしたんです」
 取材のラスト、今後のビジョンを伺うと、「企業サイト・自社のECサイトは、新作や若手職人の作品を見てもらう場としても使いたい」と大場さん。さらに、サイト立ち上げで広がった夢は、大場硝子加工所の発展だけにとどまりません。
「江戸切子のファンが増えれば、職人になりたい人も増えるはず。現在、この業界は職人の高齢化が懸念事項なんです。サイトを通じて、若い人に江戸切子の魅力に触れてもらえる機会を、もっともっと増やしていきたいですね」

  • 写真3
  • 写真4