facebook 【ユネスコ無形文化遺産にも登録】 「伝統的酒造り」を東京の地で行う豊島屋本店が 海外マーケティング強化とオリジナルプロモーションビデオにより、 さらなる海外展開を実現

【ユネスコ無形文化遺産にも登録】
「伝統的酒造り」を東京の地で行う豊島屋本店が
海外マーケティング強化とオリジナルプロモーションビデオにより、
さらなる海外展開を実現

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株式会社豊島屋本店

代表取締役社長 吉村 俊之 氏

株式会社豊島屋本店は、慶長元年(1596年)に豊島屋十右衛門が現在の千代田区内神田で酒屋兼居酒屋を始めたのが起源であり、400年を超える長い歴史を持つ東京最古の酒舗です。

今も東京の地で日本酒を提供し続けている豊島屋本店がBuy TOKYO推進活動支援事業へ応募を決めたのは、「海外とのご縁をより太くしたい」という思いからでした。

代表取締役社長の吉村氏は、東京の地で日本酒が作られていることは東京に住んでいる人たちにもあまり知られていないと言います。そんな現状を変えていくためにも国内だけでなく、海外に向けたマーケティングも強化したいと考え、応募へ踏み切ったそうです。

補助金という力を借りて挑んだ
プロモーションビデオの作成と、海外マーケティングの強化

豊島屋本店がBuy TOKYO推進活動支援事業の支援のうちの一つである補助金を利用してまず行ったことは、プロモーションビデオの作成です。

自社だけでの取り組みとしては費用面での負担の大きさから挑戦することができなかったものの、補助金を利用することで挑戦が可能になりました。このビデオはアニメーションと実写を組み合わせて作成されており、アニメーション部分では新進気鋭のアーティスト古河原泉氏のイラストを用い、実写部分では御神酒を納めている神田明神にて撮影が行われました。完成したビデオはホームページに掲載されており、英語と中国語字幕がついているため、海外の方にも豊島屋本店を知っていただくきっかけ作りに繋がると期待しています。

次に取り組んだのは、海外マーケティングの強化です。一般的な海外進出の流れとしては料飲店でのBtoBの取り扱いを増やすことや、小売店・百貨店でのBtoC販売が挙げられますが、今回豊島屋本店は新たな手法として、SNSを利用したマーケティングへと踏み出しました。

特にアメリカをターゲットとしたInstagramでの週2回の更新をロサンゼルス在住の専門家へ委託し、投稿で豊島屋の日本酒や日本文化をPRするだけでなく、アメリカの日本酒通販サイト「TIPPSY」へ誘導することで、購入までのスムーズな流れを構築し、輸出量を増大させました。

また、展示会出展の際にかかる旅費の補助も利用することで、海外現地でのPRイベントへ積極的に参加できるようになり、海外での新規のお客様開拓へ果敢に挑戦することができ、実績を積み重ねました。

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海外マーケティングの強化は
補助金だけでなくハンズオン支援によっても大きく進展

専門家派遣によるハンズオン支援では、海外マーケティングを強化するためのアドバイスを受けたことで、新たに動き出した取り組みもありました。

既に始まっている取り組みとしては、OTA*を使った豊島屋酒店の告知です。日本の体験サービスをeチケット化し、世界中の訪日観光客が利用できる「Japanticket」に、直営の立ち飲み居酒屋「豊島屋酒店」を掲載することで訪日観光客の来店を狙いました。

豊島屋酒店には海外のお客さんが増えているそうで、訪日観光客が閲覧するサイトへの情報掲載ということが効果に繋がっているのではないかと吉村氏は推察しています。

もう一つ動き出している取組として、訪日ゲスト向けショッピング情報サイトである「Japan Shopping Now」への掲載です。記事を多言語にて掲載することで、さらに多くの訪日観光客誘致を考えています。

これらの新しい挑戦への決意には、専門家派遣の際のアドバイスが大きく影響しました。「豊島屋本店の商品や神田スクエアにある直営の立ち飲み居酒屋豊島屋酒店を外国人に購入・利用いただくためには、現状の店頭のタッチポイントだけでは不足している」という意見に基づき、オンラインに情報の置き場であったり発信拠点が必要というアドバイスを受けたことで、支援の中で紹介のあった取り組みへの実現へと動き出すことが可能となったのです。

こういった客観的な意見からのアドバイスの中には自分だけでは得ることができなかった情報も多く、ハンズオン支援によって多いに助けられたとお話いただきました。

*OTA(オー・ティー・エー)とは Online Travel Agent(オンライン・トラベル・エージェント)の略語で、インターネットのみで取り引きを行う旅行会社のこと

Buy TOKYO推進活動支援事業の支援で得たものは
支援終了後も自社の「力」として存在していく

今回Buy TOKYO推進活動支援事業の支援により作成することができたプロモーションビデオや得られた知識というものは、支援終了後も消えることなく豊島屋本店の力となり、今後も活かしていくことができます。

自社だけで事業に取り組む中では気づくことが出来なかった価値も、専門家というプロの目からの指摘を受けたことで気づくことができたとのことでした。

「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産にも登録されたことも追い風となり、豊島屋本店の提供する日本酒は今後ますます世界中へと広まっていくことでしょう。

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