facebook 株式会社 Greenery – 東京都が選定した名産品や特産品を紹介【BuyTOKYO】

株式会社 Greenery

代表取締役 興津理絵氏

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医学からビジネスの世界へ飛び込み、会社設立3年目。
Buy TOKYO推進プロジェクトへの応募を通して、ビジョンが明確に

 興津理絵さんが生み出す「フラワリウム(FLOWERiUM®)」は、本物の花を水中で長期保存したフラワーアート。オンライン販売をスタートした2015年、興津さんは慶應大学病院で研究員として勤務していました。
「子どもの頃から、家族の病室に飾られている花に癒やしの力を感じていて。多くの人に、それを届けたいと考えて生まれたのが、フラワリウムなんです」
最初は大学病院の病室に飾っていたものの、次第に「私も欲しい」という声が集まるように。そこから、オンラインでの販売がはじまったわけです。
 ほどなくして百貨店などにも並ぶようになり、2017年には株式会社Greeneryを立ち上げ。慣れないビジネスの世界で、手探り状態で運営していたと言います。そんな中、偶然知り合ったデザイナーから、Buy TOKYO推進プロジェクトの存在を教えられたそう。
「2019年に応募するにあたって、はじめて事業計画というものを考えました。たとえ採択されなかったとしても、学びの多い経験になったと思います」

  • 代表取締役 興津理絵氏
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ハンズオン支援では、ブランディングやPRを依頼。
経費補助では、ウェブ関係を拡充。この1年で、ブランドが進化!

 Buy TOKYO推進プロジェクトの支援期間は、2年間。最初の1年は、資金的な問題や人材不足・情報不足などで、後回しにしてきたことを実行するのが目標でした。
「ハンズオン支援で、『ブランディングとは?』ということをアドバイザーに教えてもらい、何をやろうか改めて考えました」
 実行したのは、ECサイト・ウェブサイトのリニューアル、商品やブランドイメージの撮影、カタログ制作、そしてPR活動……と多岐に渡ります。ウェブに関しては、経費補助を利用して外部に業務を発注。専門家にデータを分析してもらったことで、営業先への提案方法にも変化が生まれました。
「例えば、ギフトとして購入する男性が多いというデータをもとに、男性客の多い高級文房具店などにもアプローチしています」
 インタビューに答えながら「人前に出るのは得意じゃない」とはにかむ興津さんですが、PR活動にも力を入れるように。
「ハンズオン支援で、PR・広報のアドバイザーを紹介してもらったんです。どんな資料が必要かを聞いて、自分自身のプロフィールやブランドの特徴を整理。それを持って、アドバイザーと一緒にメディアにアプローチしました」
ウェブサイトなどでのインタビューが実現した現在は、「自ら話すことで、商品に込めた思いがダイレクトに伝わる」と、確かな手応えを感じているそうです。

「東京都産品」であることが、信頼を得るための後ろ盾となった

 ブランドの価値向上という点では、「東京都産品」と謳えるようになったことも貢献しました。
「まだ若いうちの会社にとって、Buy TOKYO推進プロジェクトに採択されたという事実は、強力な後ろ盾。国内はもちろん、海外の取引先とお話するときも、信頼を得ることができました」
 フラワリウムは、生きているかのような瑞々しさ、液体の中でしか見られない植物の表情の両方を、購入後も長く楽しめるのが特徴です。これを実現するためには、花の種類や色ごとに異なる処理が必要。興津さんの科学的な知識を生かし、試行錯誤の末に編み出した技術が用いられています
「でも世に出してからは、購入時の外見だけを真似た商品がどんどん出てきて。正直、落ち込んだことも……。でも今は、一緒にがんばってくれる会社の仲間や信頼してくれる方々がいる。心強いなと思っています」

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  • 作業中の写真2
  • 商品の写真2
  • 興津理絵氏と商品

知識も費用面も、自分たちだけでは敷居が高かった海外進出。
2年目は、それをメインに活動予定

 現在、株式会社GreeneryはBuy TOKYO推進プロジェクトに採択されてから2年目に突入しようとしています。この先は、海外進出に向けて邁進する予定。
「1年目からアドバイザーの方に色んなアドバイスをもらい、着々と準備を進めてきたんです。フランスに駐在経験のあるアドバイザーに、現地のライフスタイルを聞いたり、売り込み先をリストアップしてもらったりして。先日、まずは自費で渡航し、リストの取引先候補をすべて視察してきました」
その中には、メイド・イン・ジャパンの製品を扱うギャラリーも存在。無事、そこにフラワリウムを置いてもらえることが決まったそうです。
「植物・液体・割れ物を使ったフラワリウムを輸出するのは、実は敷居が高くて。費用がかかる分、勇気も必要。でもBuy TOKYO推進プロジェクトで多方面からサポートしてもらえたことで、実現へと向けて動き出すことができました」